滋賀県米原市の伊吹山で、最近深刻な問題となっているシカによる食害対策のための捕獲わなの設置作業が行われました
伊吹山では、過去にふもとの集落に土砂が流れ出る被害が何度も発生しています
この原因の一つとして、シカが高山植物を食べることで山肌がむき出しになってしまったことが挙げられています
高山植物とは、山岳地帯で生息する植物のことで、特に寒冷な環境に適応したものです
米原市は、十数年前からシカによる被害が悪化していることに心を痛めています
市は、シカの捕獲を強化するため、令和5年から伊吹山の5合目、6合目、そして山頂にわなを設置する計画を進めています
この日は、市の職員10人が山頂に集まり、冬季に解体されていたわなを組み立てる作業を開始しました
わなの大きさは縦横10メートル、高さ3メートルの鉄製
職員たちは、シカが入りやすくするために二重の柵を設けたり、遠隔操作で開閉する扉を取り付けたりしました
しかし、強風が吹き荒れ作業が途中で中断され、わなの設置はゴールデンウィーク明けに持ち越すことになりました
米原市によれば、昨年度には目標を上回る395頭のシカを捕獲しており、今年度も目標は300頭だとしています
川瀬雅史 課長補佐は「シカによる食害は依然として深刻な状況
捕獲を強化し、植生の回復につなげたい」との意気込みを示しています
伊吹山とは、滋賀県の南部に位置する美しい山です。国定公園に指定されており、特に登山者に人気があります。この山は高山植物の宝庫でもあり、特にリンドウやツツジなどの珍しい花が見られます。しかし、最近はシカの食害が問題視されており、これらの植物が減少してしまっています。シカは自然界において、ある意味では人間が作り出した問題の被害者でもあります。私たちが自然を守るために、シカ対策をしっかりと考えなければなりません。
- シカとは、草食性の哺乳類で、日本ではニホンジカがよく知られています。主に森や山に生息し、草木や葉を食べて生活しています。滋賀県内では近年、シカの数が増加しており、農作物や自然環境に悪影響を及ぼしていると言われています。
- 国定公園とは、国が指定した特別な保護区域で、自然景観や生態系を保護するための公園です。滋賀県には、琵琶湖を中心とした美しい風景が広がる自然が保護されています。
- 高山植物とは、主に高い山に生息する植物で、厳しい環境に適応しています。気温が低く、風が強い環境でも生き残れるように進化しています。滋賀の伊吹山でも、多くの高山植物が育っており、その美しさが訪れる人々を楽しませています。
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