滋賀の誇る伝統行事「東近江大凧まつり」が、再開に向けた動きを見せています
このまつりは、江戸時代から続く大凧あげの文化を受け継いでおり、地域の人々にとっての大切なイベントです
しかし、10年前の事故が影を落とし、まつりはいまだに中止の状態が続いています
この事故では、重さ約700キロの100畳敷大凧が落下し、観客の方が亡くなるという痛ましい結果となりました
事故から10年が経とうとしている今、東近江大凧保存会は大凧あげの伝統を守るために何とかこのまつりを再開させたいと考えています
大凧あげは国の選択無形民俗文化財にも指定されており、滋賀の文化を代表する存在です
ですが、事故後にこの大凧をあげる唯一の場が失われてしまい、危機感は一層高まっています
実行委員会や遺族との補償の問題は解決したものの、事故の記憶は消えることがありません
市の事故調査検討委員会の報告書では、大凧あげの綱が長すぎたことが事故の要因として挙げられています
そのため、保存会は経験や勘に頼るのではなく、しっかりとした安全対策を整えて再開を目指す必要があります
具体的な対策として、危機管理のマニュアルを作ることや、分かりやすい形で安全の手立てを示すことが求められています
伝統行事を復活させるためには、過去の事故から学ぶことが重要です
例えば、滋賀や京都では、過去の事故を乗り越えてまつりや行事を再開した事例もあります
福知山市の花火大会も、事故後に市民の願いや思いを反映させて再開されました
大凧あげも関わる地域の人々が一丸となって、安心・安全の質を高め、さらなる理解を広めていくことが重要なのです
大凧あげとは、年度や特定の行事に合わせてあげられる大きな凧のことを指します。江戸時代から続くこの文化は、特に東近江地域で重要視されています。凧は通常、風を受けて高く舞い上がりますが、当然、制作過程やあげる技術には専門的な知識が必要で、地域の人々が長年にわたり受け継いできた技です。特に100畳敷などの超大型の凧は、その大きさゆえに技術や人の力が必要です。そのため、地元の人々の協力や知恵が欠かせない行事なのです。
- 大凧とは、日本の伝統的な凧の中でも、特に大きなサイズを持つものを指します。地域の祭りや行事で使用され、さまざまな形やデザインがあります。
- 伝統行事とは、地域や国で長い歴史を持ち、世代を越えて受け継がれている行事のことです。地域社会の文化やアイデンティティを感じることができます。
- 無形民俗文化財とは、目に見えない形で伝承されている文化や技術のことを指します。人々の習慣や知恵、技術も含まれ、地域の特色を学ぶ上で重要です。
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