いよいよ夏が本格化し、滋賀県近江八幡市では地元の伝統料理「ふなずし」の漬け込み作業が盛り上がっています
「ふなずし」は、びわ湖の特産である二ゴロブナを使ったお料理で、まずはフナを塩漬けにし、その後炊いたごはんを詰めて発酵させます
暑い季節にその作業が行われるのは、フナの美味しさが引き立つからです
近江八幡市のある企業では、お盆が明けた今月(8月)18日から、ふなずしの作り始めるそうで、なんと今年はたるにして40本、1.5トン分を漬け込む予定だとか!
実際の作業は、まず体長約25センチのフナのエラを取り除き、そこにごはんを入れていきます
そして、フナとごはんを交互にたるに敷き詰めていくのです
最終的には約150尾のフナを使って漬け込んで、縄をかけてふたをするという、まさに手間暇かけて作られる美味しさが詰まった料理です
そうして常温でじっくり発酵させ、年明けには美味しいふなずしが出来上がる予定です
製造には大体40キロのフナに対して、20キロのコメが必要となりますが、実は今、コメが慢性的に不足しているとのこと
フナは例年通り捕れるものの、コメの安定した入手が難しい状況にあるそうです
近江八幡市でふなずしを販売している会社の社長、奥村吉男さんは「滋賀の伝統食を次世代に受け継ぎ、多くの人にこの美味しさを届けたい」と語っていました
滋賀の美味しい懐かしさを大切にしたいですね
「ふなずし」という食べ物は、実は只の発酵食品ではありません。日本独特の発酵文化が生んだもので、特に滋賀では古くからこの料理が親しまれてきました。その理由は、滋賀の自然環境にあります。びわ湖の清らかな水と、地元で育てられたフナを使うため、独特の旨味が生まれるのです。平安時代の文献にもふなずしの記載があり、歴史ある料理としても有名です。近年はその美味しさを見直し、多くの人に愛されています。
- コメとは、稲から穫れる主食の一つで、特に日本では重要な食材です。主に炊いてご飯として食べられ、さまざまな料理に使われます。
- 漬け物とは、野菜や果物を塩や酢などで漬けた保存食で、発酵食品も含まれます。日本の食文化に欠かせない存在です。
- 発酵とは、微生物が食材に含まれる成分を分解し、味や香りを変化させるプロセスを指します。お味噌やヨーグルト、そしてふなずしも発酵食品です。
前の記事: « 子どもたちが滋賀の名儒 中江藤樹に学ぶ勉強会
次の記事: 滋賀の郷土料理で盛り上げる国民スポーツ大会 »
新着記事