高島市の安曇川町北船木では、地域の伝統的な漁法である「ヤナ漁」が行われています
この漁法は、遡上するアユを岸に誘い込む仕掛けで、地域の人々の営みと深く結びついています
毎年、春になると漁師たちはこの漁の準備を始め、早春の頃はまだ雪が残る比良山系から流れる安曇川に足を運びます
まずは竹を使って作る「簀(す)」を扇状に並べる作業が始まります
これは、アユが流れに乗って遡上してくる際に効果的に魚を誘引するための仕掛けです
実は、このヤナ漁は滋賀県内の8河川で行われていて、北船木では2カ所が設置されています
そのため、北船木のヤナ漁は「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選定されているんです
この地域では、上賀茂神社での「葵祭」にも深い関わりがあります
毎年、干しアユを献上することが伝統行事となっており、地域の人たちにも振る舞われています
しかし、今年は琵琶湖で「記録的」とされる不漁が続いており、影響は河川にも及んでいます
漁師たちは「神も仏もない」「開店休業や」と嘆く声が聞こえます
地域の若手が少しずつ手伝ってくれているものの、人口減少や高齢化が進んでおり、昔のように多くの世帯がヤナ漁に関わることは難しい現状です
にもかかわらず、組合長の山田謙二さんは「変えられることは変えて、継いでいきたい」と意気込んでいます
「川魚って、結構おいしいんやで」という言葉が示すように、この地域の人々にとってアユを捕まえて食べる文化はとても大切です
アユの旬を味わうことで、地域の文化や伝統を守っていくことができるのです
アユは、淡水魚の一種で、特に滋賀県の漁業において重要な位置を占めています。春から初夏にかけて川を遡上し、食用としても人気です。アユは川の水質が良いほどおいしくなるため、清流が残る滋賀県では新鮮なアユが味わえます。また、アユは日本の文化においても特別な存在であり、昔から祭りや行事に用いられてきました。特に高島市では、上賀茂神社の葵祭で干しアユが献上されることで有名です。
- 不漁とは、魚が十分に捕れないことを指します。特に年間の漁獲量が少ない場合に使われます。滋賀県では琵琶湖の不漁が話題になることが多く、漁師たちにとって深刻な問題です。
- 人口減少とは、出生率が低下したり、移住や高齢化などで人口が減ることを指します。滋賀でも高齢化が進行しており、若い世代の流出が問題となっています。
- 高齢化とは、地域や国全体の中で高齢者の割合が増加することです。滋賀県も高齢化の影響を受けており、地域経済や社会の活力に影響が及ぶことが懸念されています。
前の記事: « 守山市で起きた驚きの事件と公務員の倫理について考える
次の記事: 彦根市で発見された遺体 女性の身元と死因調査中 »
新着記事