今年の春、びわ湖のアユ漁が悩ましい状況にあります
先月の終わりまでの漁獲量がなんと、過去5年間の平均の4割ほどしかありません
これは記録的な不漁といえるでしょう
特に、湖岸でのコアユ釣りもシーズンに入っているにもかかわらず、「例年よりも釣れない」という声が多く聞かれます
びわ湖のアユは成長しても体長が10センチほどになることから、コアユと呼ばれています
この時期、本来であればアユが最もよく釣れる時期なのですが、夏を待つ私たちの期待が裏切られているのです
県漁業協同組合連合会の情報によれば、先月末までに漁獲されたアユはおおよそ9トンで、例年はもっとたくさん捕れることを考えると、本当に少ないと言えます
大津市の湖岸に集まる釣り人たちも、その状況を実感しています
なかでも、70代の男性は「釣れるときは1時間に50匹から70匹も釣れたのに、今日は1時間で30匹も釣れなかった」と残念な様子
「釣ったコアユはつくだ煮にして知り合いに贈っているので、量が少ないのは困ります
」と嘆いているのです
では、なぜこんなに魚が少なくなってしまったのでしょうか?県の水産課によると、温暖化が影響していると考えられています
温暖化によって産卵場所の水温が上昇し、アユが卵を産む量が少なくなってしまったのです
また、プランクトンが少なくなり、アユの餌が足りないことも要因の一つとされています
「過去に例がないほどの記録的な不漁なので、状況を注視しつつ追加の放流も検討していきたい」とのことです
びわ湖のアユ、特にコアユはその小ささと味わいが人気ですが、どうして体長が10センチほどになってしまうのでしょうか?アユは成長する過程で、様々な環境要因に左右されます。特に、温暖化の影響が大きいと言われており、水温が上がると、卵の産み方が変わることがあります。普通、アユは水温が下がると活発に動き、産卵の準備をしますが、温暖化により、温暖な水温に適応してしまうと、逆に産卵が少なくなってしまうのです。また、ビワマスや他の魚と食物連鎖の関係もあり、餌となるプランクトンが減るとアユ自身にも影響が出るのです。これらの要因が重なり、釣れない理由が理解できるでしょう。
- 温暖化とは、地球全体の気温が上昇する現象です。温暖化が進むことで、環境が変わり、特に生物に大きな影響を与えることがあります。
- プランクトンとは、水中に浮遊して生活する微小な生物たちのことを指します。アユや他の魚の重要な餌となっています。
- アユとは、淡水に生息する魚で、その身は非常に美味しいとされ、料理では多くの人に親しまれています。特に滋賀のびわ湖で取れるアユは、独特の風味があります。
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