滋賀県は、歴史的な文化と自然の宝庫です
特に、昔からの治水技術は、私たちの生活に深く根付いています
最近、滋賀の研究グループが明治時代以前の伝統的な治水設備の痕跡を発見しました
この調査は、兵庫教育大学と琵琶湖博物館が中心となり、滋賀県東近江市の愛知川沿いで行われました
ドローンを使った地形解析や古い地図の研究を組み合わせて、さまざまな手法で進められたこのプロジェクトは、私たちの歴史や自然環境の理解を深める重要なものです
治水技術の発展と「猿尾」
調査が実施されたのは2023年から2024年にかけてで、東近江市建部北町の自然学習施設「河辺いきものの森」周辺です
ここには「猿尾(さるお)」と呼ばれる伝統的な治水設備がかつて存在していたことを示す看板があります
この猿尾は、川の流れの中に石や土を積み上げて、まるで猿の尻尾のように細長く形成されており、自然の流れを制御する役割を果たしていました
調査の過程と成果
研究グループは、猿尾が実在するかどうかを確認するために、ドローンを使って特殊なレーザーを地面に照射し、その結果得られたデータをもとに地形の変化を調べました
これにより、6箇所の人為的な地形の高まりが確認され、これらが猿尾の痕跡と結論付けられました
興味深いことに、地元の高齢者に猿尾の存在を知っているか聞いたところ、半分以上がその名を記憶していましたが、1箇所については誰も知らないという結果が出ました
歴史の探求と現代へのメッセージ
琵琶湖博物館の学芸員、島本多敬さんはこの調査の意義について、「異なる学問の手法を用いることで、歴史に埋もれた重要な構造物を再発見できたことに意義がある」と述べています
そして、彼は「昔の治水技術を見直し、現代の防災についても考えてほしい」とのメッセージを伝えています
楽しい展示会の開催
この研究成果は、滋賀県草津市の琵琶湖博物館で行われている企画展示「川を描く、川をつくる」にて、11月24日まで紹介されています
この展示会では、VR(仮想現実)技術や3次元模型を使って、猿尾や治水技術について詳しく学ぶことができます
滋賀の歴史や自然を感じる良い機会ですので、ぜひ訪れてみてください!
「猿尾」は川の流れを制御するために、昔の人々が作り上げた治水技術の一つです。この技術は、地元の自然環境に合わせて進化してきました。特に滋賀県では、豊富な水資源があり、河川の流れをうまく利用するための工夫が多く見られます。猿尾のような技術は、当時の人々が自然と共生し、環境を大切にしていた証です。今の私たちも、このような技術を学び、未来に生かすことが大切です。
- 治水とは、川や湖の水を管理して、洪水や干ばつを防ぐ技術や方法のことです。滋賀では、この技術が古くから発展してきました。
- 古絵図とは、昔の土地や建物の様子を描いた地図のことです。地域の歴史を知る上でとても重要な資料になります。
- ドローンとは、小型の無人航空機のことです。最近では、調査や撮影に使われることが多く、さまざまな分野で活躍しています。
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