滋賀県の特産品であるふなずしに関する面白い研究が発表されました!ふなずしは湖国滋賀の風味を象徴する伝統的な料理ですが、実はその味に含まれる乳酸菌には地域ごとに違いがあることがわかったのです
具体的には、琵琶湖博物館(草津市)と龍谷大学の研究グループが一緒に行った調査で、県内のふなずしを27種類分析しました
研究結果によると、県北部のふなずしには乳酸の爽やかな風味が特徴的である一方、近江八幡市のものは酢のような酸味が強いと報告されています
これは、各地域で優勢な乳酸菌の種類が異なるためと考えられています
実際、27種類のふなずしのうち16種類は、酢の香りがしない乳酸菌(a種)を多く含み、6種類は酢酸を生成する乳酸菌(b種)を優勢に含んでいました
残りの5種はそれ以外の乳酸菌でした
地域による乳酸菌の違い
特に、近江八幡市で作られたふなずしは全てb種の乳酸菌が優勢であることが確認されました
一方で、長浜市や彦根市などの県北東部ではa種が多く見られました
これは、地域の気候や温度が影響している可能性があるとのことです
例えば、彦根市の日ごとの最高気温は、年間を通して大津市よりも0.5〜1度低いことが確認されています
今後の研究の展望
この研究グループの目標は、ふなずしの製法が歴史的にどう進化してきたのかを探ることです
橋本道範専門学芸員は、今回の研究の意義を「乳酸菌の違いが風味に影響することを示すことができたのは非常に重要だ」と語っています
さらには、乳酸菌のメカニズムが解明されれば、製造時の温度管理などによって、爽やかな風味や酢の酸味をコントロールできる可能性もあると言います
まとめ
ふなずしは滋賀の文化的な象徴であり、その乳酸菌の違いが個々の風味に大きな影響を与えていることが今回の研究で示されました
滋賀の美味しいふなずしをもっと深く楽しむための手がかりが見えてきそうです
ふなずしに使われる乳酸菌とは、発酵を助ける微生物のことで、食材が腐るのを防ぎ、風味を良くする役割があります。滋賀のふなずしのように、地元の気候や環境に影響されることが多く、地域ごとに特有の乳酸菌が発展してきました。このように、地元に根付いた菌たちは、農産物や食文化に大きな影響を与えるのです。
- ふなずしとは、滋賀県の伝統的な発酵魚の料理で、特に長浜市で多く見られます。ふなを塩と米によって発酵させて作ります。
- 乳酸とは、発酵の際に生じる酸の一種で、爽やかな風味を持っています。主に乳酸菌が生成します。
- 酢酸とは、酢の主成分で、酸味を持つことで知られています。発酵食品においては乳酸菌の一部が生成します。
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